2021.09.20
まなびの風景「菊池女子高等学校郷土芸能部」
地元の誇りである菊池一族の精神を受け継ぐ
平安時代の後期から室町時代にかけて、菊池市を中心に、その名を中央にまで轟かせていた豪族、菊池一族。忠誠心が強く、一時は九州の大半を制圧する武力を持ち、信義に篤く信念を 貫き通した菊池一族の逸話は数多く、 地元の誇りとして語り継がれています。その菊池一族の勇猛さ、精神を舞踊で表現したのが「菊池千本槍」です。 菊池女子高校の郷土芸能部は、「菊池の、地元の誇りを見直そう」という歴史を掘り起こす地域の動きに呼応するように、1991(平成3)年に当時は日本舞踊部として活動していた部活動から、郷土芸能に特化した郷 土芸能部としてスタート。甲冑、槍などの装具を鹿児島川内の戦国村(当時)で特別にあつらえ、故芳瞠宣哉(ほうどうせんや)氏の指導のもと、毎年アレンジを変え、菊池一族の戦いを女子武者として演じ、表現しながら、郷土芸能を継承してきました。現在は、中村花誠氏の指導を受けています。多い時は30名の部員を有した時期もありましたが、現在は3年生4名と2年生3名の合計7名で活動しています。
舞台で披露した後の 達成感が 部活動の楽しさ
日頃の練習の成果を発表する場は、文化祭や、地元のお祭り、招待されて参加するイベントなどありますが、今年は和歌山県で開催された全国高等学校総合文化祭(総文祭)の吟詠剣詩舞部門で出場。3年生4名で、菊池一族をテーマにした 剣を使った舞で挑みました。県劇ほわいえの取材班が菊池女子高校を訪れたのは、総文祭直前の中学生向け一日体験入学の日。学校見学の中学生や保護者を前に、郷土芸能部の4名が本番さながらの剣舞を披露してくれました。彼女たちが着用しているのは、創部から受け継いできた甲冑と衣裳。勇ましく、凜とした表情で振るうのは、同じく30年もの間先輩たちも使っていた槍です。入部の動機を聞いてみると、 4名中3名が部長の丸山さんから誘われて入ったとか。「練習に参加して、おもしろくなってきた」「大会に向けての準備がやりがいを感じる」「面倒だったけど、どんどん楽しくなった」と、総文祭への意気込みを語ってくれました。
(今年8月に和歌山県で開催された総文祭には、3年生4名で参加)
(左から3年生の佐渡菜名さん、前田未来さん、猿渡梨那さん、丸山遥叶さん。「小人数なのでみんなで盛り上げていきたい」と部長の丸山さん。)