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2021.09.20

自主事業ハイライト「舞台技術の基礎講座」

舞台技術の基礎講座
717日(土)・18日(日)@演劇ホール 

 ひとつの舞台をつくりあげる 舞台技術者の仕事体験

ひとつの舞台をつくりあげる。その背景には、舞台上に立つアーティストだけでなく、観客には見えない舞台裏で、地道で、細やかな作業を遂行する数多くの人の存在があります。 会場や出演者、スタッフを手配し、当日までの段取りを全体的に管理する制作、公演を広くPRするための広報など、関係するスタッフを挙げていくと、どれだけの人がひとつの舞台をつくりあげるためにいるのか、きっと驚くほどの人数です。舞台、音響、照明と、舞台をつくりあげる専門の舞台技術者もその一員。県立劇場には、公演を裏方として支える舞台技術者が、職員、委託を含めて10名いますが、全国的にも公共ホールの舞台技術者の人材不足、後進育成が大きな課題となっています。県立劇場ではこの課題に対し、2015(平成27)年度から舞台技術者育成に特化したプログラムを実施しています。今年度は、717日、 18日の2日間で実施。対象者を高校、専門学校、大学生に限定して募集しました。2日間の講座でステージ上の演出に必要な基礎的な技術を、県立劇場のスタッフが説明。舞台、音響、照明について体験し、学んだことをベースに、2日目の最後は熊本学園大学 「スイングバンド研究部」の公演の実施までをプログラムに盛り込みました。参加者は、学校で演劇部や軽音楽部、映像研究部などに所属する30名。今回は、舞台技術者育成プログラムとしては初めてのバンドによる音楽公演をテーマにしたことから、熊本県高等学校軽音楽連盟からの多数の応募につながりました。中にはTwitterで講座のことを知った県外からの応募もありました。


(照明器具の説明に、興味深く聞き入る参加者たち。 ) 


(セッティングだけでなく、片付けも仕事のひとつ。背景幕を参加者で畳む。)

舞台を構成する演出に必要な道具、設備の名称、音響機材の設置や、サウンドチューニングの方法、色とりどりの照明をつくるテクニックなど、 舞台、音響、照明のパートごとに、実際に舞台上の装置を使い、バンド公演の舞台をつくりながら、舞台技術の基礎を学びました。音響室、客席天井部にあるシーリングライト室など、普段は入ることができない場所での作業も体験。時に「シルエットの語源知ってる?」などの豆知識を交えながら講座は進められ、なごやかな雰囲気ながらも参加者の真剣に「学びたい」というまなざしが印象的でした。


(客席天井部のシーリングライト部屋からステージを見下ろす。)


(技術者には、次から次へと質問が投げかけられる。)

 

◎comment 

左 熊本県立大学3年 中村 真菜さん 

高校生の頃に所属していた演劇部で、公演の裏方を担当したことがあり、舞台技術の仕事に興味を持ちました。ひとつの舞台をつくって、誰かに観てもらうことがとても楽しく、裏方として作品の一部になれる達成感が好きでした。経験したことがあったので、今回の講座内容は知っていることも多くありましたが、仕込みやリハーサルのおもしろさを改めて実感できました。

右 熊本県立大学3年 遠山 奈月さん 

大学では映像のことを勉強しているので、学生時代の時間を利用して、なんでも学びたいと思って参加しました。バイト募集していたら、すぐにでも応募したいくらい、舞台技術の世界に興味があります。特に音楽に興味があり、 最終的にバンド公演の舞台をつくるというお題があったので、とても楽しみにしていました。基礎的なことが中心でしたが、かなり有意義な時間でした。

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