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2026.10.20
【県劇職員が本音を綴るリレーコラム】Vol.31

カーテンコールのその奥で
少し前になりますが、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を鑑賞しました。書籍や映画の世界観を超えてくる生の舞台の迫力が目の前に繰り広げられ、あっという間にカーテンコールを迎えた感覚でした。開演までの時間、座席からステー
ジ、天井、照明やスピーカーの位置、舞台袖の幕へと視線を巡らせます。舞台セットはもちろん、凝った造りのプロセニアムアーチや、壁にかかるドラゴンの照明など、気になるものばかり。上演中も、この素晴らしい空間を作り出す出演者
と、公演を支える何十人、何百人ものスタッフの姿を想像しながらの観劇でした。
一つの公演が幕を開け、無事に終えるまでには多くの人が携わります。華やかなスポットライトを浴びるキャストの背後には、音響、照明、舞台監督といった高い技術を持つスタッフたちが、まさに「見えない主役たち」として控え、舞台を支えています。そして、私たち劇場職員の日常もその連鎖の中にあります。公演を企画して広報や券売を行う制作者。主催者の要望を汲み取り、最高の舞台へと導く伴走者。お客様を笑顔で迎えるスタッフや、劇場を快適な空間に保つ技術者。目立たない存在ですが、誰一人欠けても、あの「あっという間にカーテンコール!」の感動は生まれません。
県劇に限らず、次に劇場へ足を運んだ際は、そんな「裏方」にいる人たちにも少しだけ想像を巡らせてみてはいかがでしょうか。表からは見えない細やかな気配りや仕掛けに気づくと、いつもの舞台の見え方も変わってきます。この音のタイミング、この照明の切り替わり、カーテンコールで感じる一体感。そんな「裏側の魔法」を探してみるのも、劇場の新しく、そしてきっと面白い楽しみ方になるはずです。

事務局長
宮家 郁子〔みやけ いくこ〕



