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2021.03.20

特集「アートラーニング in 新しい生活様式 ~新しい生活様式に、新しい文化・芸術の風~」

文化・教育の場の新しいカタチ。

新型コロナウイルス感染症の広まりとともに幕を開け、緊急事態宣言を受けて外出自粛要請、リモート授業、テレワークといった、これまで経験したことのない生活を余儀なくされ、新しい生活様式「withコロナ」が人々の生活に定着しつつある中で幕を閉じた2020年。コロナ禍がもたらした影響は、あらゆる業界に深くその爪痕を残し、2021年に入っても、コロナとともにある生活はしばらく続きそうです。文化・芸術活動においてもコロナ禍の影響は大きく、人が集まる公演活動は自粛する動きがあり、実現できた公演でも予防対策を講じたうえで観客の数を減らして開催するなど、これまでのような活動ができない状況が続いています。文化・芸術活動は不要不急のものなのか。コロナ禍の中で議論が交わされたこともありましたが、日常の中でふとした瞬間にふれる音楽や、舞台上で繰り広げられる物語に心が動かされる、日常では経験できないひとときが、いかに私たちの生活の中に潤いを与えていたのか、あらためて気づいた方も少なくないと思います。そう、文化・芸術は私たちの生活に必要なものだと。


(レッスン動画の内容やシナリオは、制作スタッフとともに作成。)

熊本県立劇場は、文化・芸術活動を支えるひとつの組織として、コロナ禍の中、アーティストの活動を支援する動画公開、舞台芸術の魅力を伝える活動などに注力してきました。その活動の一環としてYouTube配信による「文化教育の場」の提供を目的とした「アートラーニング in 新しい生活様式」支援事業に取り組んでいます。これまでステージやレッスンを生業として、文化・芸術活動を行っていた多くのアーティストたちが、コロナ禍の中、発表や教育の場を失っていることを受けて熊本県が企画したもので、県劇では動画制作・配信業務を担当しています。日本舞踊、邦楽、ダンス、日本画、フラワーアレンジメント、書道など、様々なジャンルの15団体・個人のアーティストが参加。You Tubeでレッスン動画を配信するという新しい試みに、2020年の11月から取り組みました。


(撮影をしながら何度も流れを確認して納得のいくものに仕上げる。)

 


(撮影の回数を重ねるごとに、「伝える」ための様々な工夫が盛り込まれるように。)

第一回の配信は、講師であるアーティストの紹介やそのジャンルの歴史、使っている道具などの解説動画を制作。初めてそのジャンルにふれる人にも、気軽に文化・芸術を楽しんでいただけるように工夫しました。第二回以降は、初心者、中級者、上級者向けのレッスンと、段階を追うごとにステップアップしていく構成です。レッスン動画の撮影は、動画撮影・編集のスタッフと、講師となるアーティストが毎回何を伝えていく動画にするのか、どんな人にどう感じて欲しいか、それぞれの立場からアイデアを出し合って進められました。ふだんのレッスンとは違い、YouTube配信の場合は、不特定多数の相手に向けての発信です。目の前には生徒さんではなく多数のカメラ。誰に向かって話していいのか、最初は戸惑いも見られた撮影現場でしたが、回を重ねるごとに緊張がほぐれていく様子が手に取るように感じられました。

「アートラーニングin新しい生活様式」のレッスン動画は、3月までにすべての動画が公開されています。それぞれの講師であるアーティストが制作スタッフとともに、たくさんの人に楽しんでもらえるよう、心を尽くしてつくっています。おうちに居ながら、プロの技術を学び、芸術・文化にふれるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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