2022.06.15
熊本ユースシンフォニーオーケストラ
音楽の素晴らしさを伝え、幅広く″育成″に関わり続けたい
「子どもの頃から、本物の音楽にふれてほしい」。そんな思いを礎に活動している「熊本ユースシンフォニーオーケストラ」は1964(昭和39)年に創立。音楽をこよやく愛し、熊本に音楽の土壌を耕したいと、とある屋台で飲みながら熱く語り合った20代の若者4人の思いが原点にあります。「上村先生、猪本(乙矢・耀子)ご夫妻、日地先生の″創始者″の4人が、将来の音楽業界のことを熱く語り合った屋台の話が、今でも語り種になっています」と、3代目理事長である山口邦子さん。
創立時は団員30人からスタートし、現在では小学校から29歳までの60人が在籍。1966(昭和41)年に第1回の定期演奏会が開催され、今年の8月には53回目の演奏会が県立劇場で予定されています。「県劇ができてから、熊本地震の年以外はずっとコンサートホールで演奏しています。年を重ねるごとにホール自体の響きや、味わいが変わっていることを感じられますね」と山口さん。
そんな山口さん率いる熊本ユースシンフォニーオーケストラの次なるステップは、少子化の社会情勢を踏まえた音楽育成活動の強化です。そのひとつとして、今年からジュニアオーケストラを開設し、より早い段階から音楽にふれる機会を広めていく活動に注力しています。「北海道で青少年オーケストラ協会を運営する男性がいて、あの広大な北海道の地域をまわって指導活動を行う姿に刺激を受けました。音楽活動と育成活動の重要性を感じ、もうひとつの受け皿としてジュニアオーケストラの開設に至りました」。熊本ユース出身の団員たちは演奏家として活躍している人も数多く、卒団後も指導に取り組む人もいます。新しくジュニアオーケストラが開設されたことにより、今後は、小学生から高校2年生までの音楽経験が浅い人でも入団でき、より音楽の門が広く開かれることになります。
熊本ユースシンフォニーオーケストラ 理事長
山口 邦子[やまぐち くにこ]