contact

MENU

2022.06.15

まなびの風景「熊本市立必由館高等学校和太鼓部」

初心者からスタートして全国屈指の演奏へ

「運動に例えたら、800メートルを全力疾走」と、ある生徒が発言した通り、和太鼓の演奏はわずか数分の間で、太鼓を演奏しながら、周りと協調し、踊り、跳ねて精悍な動きを表現していくスポーツのようでもあります。

全国大会で頂点を幾度も獲得し、必由館高校の部活の代表格でもある和太鼓部は、2001(平成13)年に誕生。当時の校長から「中学まで経験していない初心者でもできる部活を」という依頼を受け、部活動創立に携わった顧問の鹿子木賢輔先生も和太鼓初心者。部員集めもひとりずつスカウトして、12人の生徒からのスタートでした。「和太鼓部のきっかけとなったのが、その年の4月に県劇で開催された高校の90周年式典です。箏曲や新体操の舞台で和太鼓を演奏したらどうか、という声があがり、世継太鼓保存会の上野秀喜さんに指導していただき、3年生の4人の生徒が代表で演奏しました。まだ部として活動していなかったので、ゼロ代目にあたります」と、鹿子木先生は当時を振り返ります。

今年も全国の頂点をめざして練習に励む

初心者集団からはじまった和太鼓部が、全国高校総合文化祭で国立劇場の舞台に立ったのが2008(平成20)年のこと。創立からわずか7年で偉業を達成し、それ以来全国大会へ9回出場し、うち6回は文部科学大臣賞1回、文化庁長官賞5回で国立劇場出演を果たしました。2022(令和4)年は、部員40名で全国制覇を狙います。部活動の伝統として受け継がれている「肥後の鼓舞」というオリジナルの演目は、前年のものを完全コピーした上で、その年の生徒の解釈によって、自分たちの代だけのものに仕上げていきます。このため原曲が出来上がって約20年の間に、どんどん進化しています。また、生徒同士の交流も深く、先輩から後輩への指導も熱いため、後進の指導を買ってでる卒業生もいるほどです。和太鼓部を目的に高校入学を選んだ部長の坂田美依菜さんは「憧れて入部しましたが、入ってみて全国レベルのすごさを知った」、祖母から勧められて入部した副部長の矢野良々佳さんは、「私たちの力強い演奏を見て欲しい」とそれぞれ語ってくれました。

SHARE

contact