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2021.09.20

県劇スタッフリレーコラム№10

「逃げちゃだめだ」

今年、遂にエヴァンゲリオンがエンディングを迎えた。 

1995に放送されたテレビアニメ版「新世紀エヴァンゲリオン」。正直「訳の分からないアニメ」だった。何が分からないって、内容を理解するのが難しく、特に最終回での結末は、その難しさに呆然とした。その後、劇場版として二作映画化されたが、当時学生だった私には、何が面白いのか分からなかった。 

そんなアニメが新劇場版として四部作映画となり、今年その最後の映画が公開された。 

エヴァは、人によって様々な捉え方 をするアニメだと思う。人間の行動、思想、概念・・・。それは単純なロボットアニメと違う、「大人のアニメ」だった。ストーリーがどのように展開するのかを最後まで予想させなかったからこそ、四半世紀にわたり、長くファンの心を惹きつけるモンスターアニメになったのだろう。大人になって、やっと自分なりにエヴァを解釈できるようになったつもりだ。今作を観た感想までは述べないが、エヴァンゲリオンの「終劇」に ふさわしい結末だった。そう、シンジ君は、やり遂げたのだ。エンドロールが流れる間、その無機質な画に反比例するように感動が心の中でこだました。

私は人を頼るのが苦手だ。何事も自分でやり遂げたいという思いと人に迷惑を掛けたくないという思いからなのだが、ときに無理してしまうところがある。でも、正直一人じゃ何かをやり遂げることは難しい。家庭でも職場でも、周りにはたくさんの人がいて、支え合っている。このコロナ禍でさらにそのことに気づかされ、そのありがたみを感じている。 

ああ、シンジ君・・・物事を決断し、そして、仲間を信じ、最後までやり遂げた君は凄いよ。私は、君よりだいぶ年上だけど、今からでも、君みたいになれるだろうか。いや、なれる。シンジ君のように、自分のペースで一歩一歩前進していくよ。そして、君が最後に見せてくれた、とびきりの笑顔ができるように私も頑張ってみるよ。 

今日も自分に言い聞かせる。

 「逃げちゃだめだ」と。

城下 一誠(しろした いっせい)
施設サービスグループ

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