2019.09.20
寄稿「行くぜ!劇場探検隊」
県立劇場が毎夏実施しているお芝居仕立ての劇場バックステージツアー「行くぜ!劇場探検隊」。この「探検隊」を制作してくださっている池田美樹さんがメッセージを寄せてくださいました。
「行くぜ!劇場探検隊」 2019年8月9日 演劇ホール
「あれ?舞台装置の色が変わった。なんで?」
小学校の演劇鑑賞会で彼はふと気付いた。「色が変わるのは光のせいか!この光はどこから当ててるんだろう?」そう思った4年生の彼は、物語そっちのけで90分ひたすら光の変化とその大元探しに夢中になった。
これは尊敬する照明家さんの「この仕事についたきっかけ」の話。そんなところを見るこどもがいるのか。そしてそれが将来の職業になったりもするのか。
「知ってる場所の知らないところを知って欲しい」。そんな思いで作っている「行くぜ!劇場探検隊」。お芝居仕立てで劇場の裏側を探検するこの企画、今年もたくさんの小学生と保護者の皆さんが参加して下さった。ピンルーム・シーリング・フライギャラリー…普段は入ることのない場所を歩き、照明・音響・大ぜりの仕組み等を体験。
後半は短編劇鑑賞。前半に知った明かりや音響、装置の仕組みが愉快に組み込まれている。この企画から舞台スタッフのプロが生まれたら。職業にしないまでも、「なんでこうなってるんだろう?」いろんなことにそんな視点を持ってくれたら。
「なんだあれ!」。彼らの発見と感嘆に、私たちも毎年新たな「知ってる場所の知らないところ」をみつけることが出来る。探検万歳!
劇団きらら代表
池田 美樹[いけだ みき]