2019.12.20
利用団体紹介「熊本バレエ研究所 熊本バレエ劇場」
バレエは、人生を豊かにする総合芸術
「熊本バレエ研究所」は1950年、戦後復興の最中に「三橋蓮子舞踊研究所」として誕生。その後名称を改め、2020年で創立70周年を迎える熊本のバレエ界を牽引してきた存在です。「当時はあの時代ならではのエネルギーに満ちあふれていました」と振り返るのは、自らも研究生の一期生であり熊本バレエ研究所代表の伴征子さん。伴さんが前任の戸田裕子先生の後を継ぎ三代目代表となった1968年は市民の悲願でもあったホール、熊本市民会館がオープンした年。翌年には、この市民会館で研究生の日頃のレッスンの成果を披露する大発表会、サマーバレエコンサートをスタートしました。
1975年には研究生のための発表会とは別に古典作品の上演をめざし「熊本バレエ劇場」の名を冠した公演活動を始めました。旗揚げの演目は、子どもから大人まで幅広い年齢層で構成されたチャイコフスキーの名曲《くるみ割り人形》です。
1984年、《くるみ割り人形》の舞台を市民会館から待望の県立劇場に移しました。2年前に県劇の舞台サイズに合わせて作った妹尾河童氏の舞台装置、熊本ユースシンフォニーオーケストラ、NHK熊本児童合唱団の皆さんとの協演という現在の姿が出来ました。
以来、毎年《くるみ割り人形》を上演していく中、子ねずみ役で舞台を走りまわっていた子どもが、パーティに集う子どもの役に、またおもちゃの兵隊に、そして成長とともに華やかな花のワルツに入って、ソリスト、プリマ・・・と育っていく過程もお客様には楽しい見どころのひとつとなっているようです。
この《くるみ割り人形》をゆりかごに育った若者は国内外で活躍しています。
「バレエを通して学ぶことは多く、それが豊かな人生に繋がっていくと思います」と伴さんは締めくくりました。
(くるみ割り人形第二幕「お菓子の国」こんぺい糖の精と王子のグラン・パ・ド・ドゥ。2019年12月1日上演)
熊本バレエ研究所代表
熊本バレエ劇場総監督
伴 征子[ばん せいこ]