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2022.04.15

特集「40周年の県立劇場へメッセージ:佐渡裕」

県立劇場40年の歴史の中で、コンサートホール、演劇ホール、それぞれのホールの舞台上には数えきれない感動の場面が生まれました。その場面をつくりだしてきたアーティストの方々から40周年を迎えた県劇へ、あたたかいメッセージをいただきましたのでご紹介します。

このたびは熊本県立劇場40周年を迎えられ、心よりお祝い申し上げます。
県立劇場の大舞台は素晴らしい音響を持ち、この指揮台に立つことは常に大きな喜びを私に与えてくれます。

熊本とはこの10年ほどの間に特に色々なご縁が生まれました。テレビ番組「鶴瓶の家族に乾杯!」で笑福亭鶴瓶さんと共に震災前に熊本を訪れていたため、2016年に熊本で地震が起こった際、阪神淡路大震災を経験していた私は居ても立っても居られない想いがありました。
被災した方々を励ますことが出来たらと、兵庫で活動している<スーパーキッズ・オーケストラ>と益城町や南阿蘇の被災地や県庁ロビーで演奏をしたり、私が音楽監督を務めるオーストリアの<トーンキュンストラー管弦楽団>の日本ツアーでは、彼らと一緒に公演後のロビーで募金箱を持って支援金を集めたりしました。募金活動で集まった1000万円近いお金は被害のあった熊本県内の学校の楽器修理のために大変有意義に使われました。
これらのすべての活動を県立劇場の優秀なスタッフの皆さんがコーディネートしてくださり、一緒になって熊本県内の色々な場所に出かけて、支援活動を支えてもらいました。ホールの外にも音楽を届けて行きたいという彼らの強い意志と情熱、柔軟で謙虚な姿勢にいつも助けられました。募金の分配や使用について、公平で大変細かな配慮を持って最後まで作業してくださった県立劇場のスタッフの伊津野さんがその後、若くしてご病気で亡くなられたことは、私にとっても大変悲しいことでした。

楽しい思い出もたくさんあります。2018年の5月、トーンキュンストラー管の来日公演を県立劇場で行った日がちょうど私の誕生日でした。劇場と楽団が素晴らしいサプライズを用意してくださり、アンコールの時に、指揮台に熊本の銘酒「瑞鷹」の酒樽が運び込まれ、お祝いの法被を着せてもらって姜尚中館長と一緒に鏡割りをしたのです!満席のお客様に盛大に祝っていただき、とてもうれしく忘れられない光景です。

これからも熊本県立劇場が作ってくれた、沢山の思い出や縁を大切に、またあの素晴らしい音響に包まれて指揮台に再び立つ日を心待ちにしています!


ⒸTakashi Iijima

佐渡 裕[さど ゆたか]
指揮者

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