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2023.09.20

劇場を安全に利用するために「保守点検」

保守点検

県立劇場では、舞台機構を安全に使用するために定期的に機構の専門スタッフによる保守点検を行っています。今回は吊物機構の保守点検について、森平舞台機構株式会社の宮嶋利幸さん、三谷浩二さんにお話を聞きました。
宮嶋さん:舞台機構を人間の身体に例えれば、保守点検は健康診断のようなものです。ちょっと身体の調子が悪いんだけど・・・、お腹の調子がイマイチで・・・など、人間であれば自分の状態を伝えることもできますが、機械は伝えてくれません。だから機構のことを熟知した専門スタッフが目で見て、耳で聞いて、手で触って微かな異変に気付き早めに対処することが重要です。

吊物機構の心臓部とも言える制御盤を点検するスタッフ

三谷さん:他の劇場での例ですが、吊物バトンを吊っているワイヤーロープのキンク(捻じれや曲がり)や手引きバトンを上下させる引き綱ロープが切れそうになっていることを発見したことがあります。作業員としてどこかに悪い所があるかもしれないという意識で緊張感をもって作業に当たっています。
宮嶋さん:劇場にお見えになるお客様はチケットを予約されたときからその日の公演を愉しみに当日をむかえられることと思います。舞台芸術は、機構設備はもちろんのこと、照明・音響設備がすべて支障なく機能し、演出家・運営スタッフの意のままに動作することでお客様の感動の一助を担っているとの思いで、誇りをもって仕事をしています。毎回点検前には劇場スタッフに機器の動作状況について問診し、限られた点検時間内で効率的な作業に努めています。
宮嶋さん、三谷さんの仕事への想いを伺い、かけがえのない一回切りの舞台芸術に携わる舞台スタッフとして、緊張感を持って仕事に取り組みたいと思いを新たにしました。

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