熊本県立図書館タイアップ企画
本の中にある劇場

熊本県立図書館と県立劇場のタイアップ企画として、2007年度から県立劇場の文化事業に関連する図書を「公演を楽しむブックリスト」としてご紹介しています。作曲家や演奏家のこと、楽器にまつわる話や演劇の原作本。さらにはスポーツ、科学に関する本も！そして、このコーナーでは、県立図書館職員おススメの一冊をご紹介します。ここで紹介したおススメ本もブックリストの本も熊本県立図書館で読むことができますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

どんどん変に･･･
エドワード・ゴーリー　インタビュー集成

独特なタッチで描かれる、ちょっと不気味（に見えるかもしれないけれども魅力的）なイラストの彼の絵本を、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。ニューヨーク・シティ・バレエの熱狂的ファンで、猫好き、途方もない数の指輪をはめ、『源氏物語』を愛読する、毛皮をまとった異様な人。というのは、あくまで周囲から見た評価であって、インタビューに淡々と答える本人はいたって冷静に「ゴーリーらしい」答えを返していきます。その答えがこの本の帯にもある通り、まさしく「博覧狂気」なのですが。バレエ公演にあまりにも通い詰めているせいで、現れないと（ほかのお客さんから）心配される、という一文にピッタリなのは「愛すべき変人」ではないでしょうか。県立劇場のことが大好きな人、そして県立劇場を「ホーム」としている人たちのことが大好きだという人。熱狂的に「好き」を追いかけている時は、誰しも「変人」なのかも･･･。でも、それでもいいですよね、大好きなんですもの（笑）。

熊本県立図書館 情報支援課 主任主事
下田　美超［しもだ　みき］