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2026.06.20
【特集】けんげきキッズプログラム おどる絵本『みえるとか みえないとか』

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みえる? みえない?いっしょにのぞいてみよう。
この夏、絵本の世界が舞台で踊りだす。
おどる絵本
『みえるとか みえないとか』


子どもたちに、劇場をもっと身近に感じてもらいたい。本物の舞台芸術にふれ、心が動く時間を重ねてほしい。そんな思いから熊本県立劇場で2024年度に始まった「けんげきキッズプログラム」に、この夏、新たな一作が加わりました。ヨシタケシンスケさんの絵本を原作にした、おどる絵本『みえるとか みえないとか』。違いと出会うおもしろさを、ダンスならではの身体表現で届ける舞台です。
けんげきキッズプログラムが大切にしているのは、子どもたちが椅子に座って何かを観るだけではない、多様な体験です。みんなで踊ること、音に耳を澄ますこと、はじめての表現に出会うこと。どきどきしたり、わくわくしたり、その場でしか生まれない感覚を通して、舞台芸術はぐっと身近なものになっていきます。子どもたちには、本物にふれることで想像力や表現力を育む時間を。保護者には、忙しい日々の合間に、子どもと一緒に楽しみ、心をほどくひとときを。熊本県立劇場は、そんな家族の記憶に残る場所でありたいと考えています。

今年度のラインアップのひとつとして、8月12日(水)に熊本県立劇場演劇ホールで上演するのが、おどる絵本『みえるとか みえないとか』です。人気作家・ヨシタケシンスケさんの絵本を原作に、スズキ拓朗さんが振付・構成・演出を手がけるダンス作品で、0歳から入場可能。3歳まで膝上鑑賞無料で、家族そろって出かけやすい公演です。 物語の舞台は宇宙。宇宙飛行士の〈ぼく〉が降り立ったのは、目が3つある人たちの星でした。「後ろが見えないなんてかわいそう」と言われたり、「後ろが見えないのに歩けるなんてすごい」と驚かれたりするなかで、自分にとっての“当たり前”が少しずつ揺らいでいきます。さらに、目の見えない人との出会いを通して、世界の見え方はひとつではないことに気づいていく――。この作品が描くのは、違いを怖がることではなく、違いと出会い直すことのおもしろさです。 スズキ拓朗さんは、この作品を選んだ理由について、「『みえるとか みえないとか』は、タイトルにも惹かれましたし、すごく深い。でも、誰が読んでも楽しい、壁のない作品だなと思った」と語っています。文学をダンスにする試みを続けるなかで生まれた“おどる絵本”という発想。本作もまた、違いや見え方をめぐるテーマを抱えながら、重たさだけに傾くことなく、誰にでもひらかれた作品として立ち上がっています。 公演に合わせて、劇場内の図書ブース「光庭文庫」に原作絵本を並べました。舞台を観る前に絵本のページをめくる人も、観劇のあとにもう一度物語を読み返す人もいるかもしれません。読むことと観ること、想像することと身体で感じること。そのあいだを行き来しながら、作品はひとりひとりのなかで違った広がりを見せてくれるはずです。 子ども向けだからやさしいのではなく、子どもも大人も、それぞれの入口から入っていけるようにひらかれていること。けんげきキッズプログラムが目指しているのも、まさにそうした舞台芸術との出会いです。劇場は、特別な日にだけ訪れる遠い場所ではなく、家族で新しい感覚に出会える身近な場所でもある。おどる絵本『みえるとか みえないとか』は、そのことをあらためて感じさせてくれる一作です。

振付・構成・演出・出演 スズキ拓朗さんインタビュー

―『 みえるとか みえないとか』を題材に選んだきっかけについて教えてください。
『みえるとか みえないとか』は、タイトルにも惹かれましたし、「大切なものは目に見えない」とか、そういうテーマも含めて、すごく深い。でも、誰が読んでも楽しい、壁のない作品だなと思って、やりたいと思いました。
― この作品の魅力は?
障害とかそういうものも描いているんですけど、すごく可愛らしくて、誰が読んでも楽しい内容なんですよね。「違い」があることを特別なこととしてではなくて、自然に受け入れられるような、壁のない世界が描かれているなと思っています。
― 絵本をダンスにするうえで、難しさや面白さはどんなところにありましたか?
ヨシタケシンスケさんの絵って、いい意味でゆるくて優しいんですよね。あまりアクティブじゃない。だから、それをどう動きにするかはすごく難しかったです。激しくしすぎると世界観が壊れてしまうので、踊り方やキャスティングも含めて、「どうしたらこの優しさをそのまま届けられるか」をずっと考えていました。衣裳はすごく楽しかったです。例えば“目が3つある宇宙人”をどうするか考えたときに、着ぐるみじゃなくて、手に目を描いて動かすというアイデアを思いついたときは、すごくワクワクしました。
― 作品の中で大切にしていることは何でしょうか?
「見えないものを見ようとする力」です。例えば「かわいそう」という言葉も、ただそう思うだけじゃなくて、ちゃんとコミュニケーションを取ることのほうが大事だと思っていて。違いについて、勇気を持って話しかけたり、対話したりすること。そういうことを、舞台でも表現したいと思っています。
― この作品は、「違い」をどのように捉えていると思いますか?
違いがあるっていうのはある意味怖いことなんですけども、その違うところをお互いに発見していく楽しさがあると思うんですよね。子どもはそこを気にせずに飛び越えられるんですけど、大人のほうが「違いがあると怖い」って思ってしまう。 だからこそ、小さい時から「違うことを楽しむ」感覚が当たり前にあるといいなと思っています。
― ご自身の経験も作品に影響していますか?
僕自身、手に力が入りにくいという障害があって、昔はバスケットボールができなくなったこともありました。でも今は、それも含めて自分の個性だと思っています。できないことがあるからこそ、違う表現ができる。 「マイナスだと思っていたことも、見方を変えればプラスになる」っていう感覚は、この作品にもつながっていると思います。
― 子どもたちや大人には、どのように届いてほしいですか?
子どもたちには、とにかく「楽しい!」って思ってほしいです。「なんかあの人の動き面白いね」とか、「あの衣裳着てみたい」とか、違うことをそのまま楽しむ感覚を持ってもらえたら嬉しいです。 大人には、子どもに質問されたときに「どう答えよう?」って考えるきっかけになったらいいなと思っています。正解じゃなくてもいいので、会話が生まれること。それが一番大事だと思っています。
― 最後に、この作品への思いを教えてください。
今回、いろんな劇場と一緒にこの作品を届けていけることは、自分の中でも大きな転機だと思っています。いろんな場所で、いろんな人に出会いながら、作品をもっと良くしていきたい。 この作品を通して、いろんな人がいろんな人を理解することの楽しさを、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
おどる絵本『みえるとか みえないとか』
宇宙の別の星に迷い込んだら、そこには私たちとは違った特徴をもった「ひと」たちが・・・。人気作家ヨシタケシンスケの絵本の世界がダンスになる!
令和8年8月12日(水)
会場/演劇ホール
出演/スズキ拓朗、小林らら、青井 想(以上CHAiroiPLIN)
稲葉由佳利、 鳥越勇作、山下直哉、オクダサトシ
音楽・演奏/清水ゆり(CHAiroiPLIN)
【入場料(消費税込み)】
[全席指定]おとな 3,000円、こども(18歳以下) 1,500円
※障がいのある方は1,500円 ※0歳から入場OK
※3歳まで膝上鑑賞無料 ※未就学児は保護者の同伴が必須
【チケット取り扱い】
熊本県立劇場096-363-2233
チケットぴあ(Pコード:541-878)
ローソンチケット(Lコード:83196)
けんげきキッズプログラム おどる絵本『みえるとか みえないとか』
これまでに開催した
けんげきキッズプログラム公演(一例)
●はじまり はじまり ~県劇舞台づくり学校~(2025年)
県内で公募したこどもパフォーマーがダンスを、学生クリエイターが音楽・衣裳・映像をつくり、一つのダンス作品をクリエイションしたプロジェクト。
●絵本のじかんだよ!(2024年)

0歳から入場できる、俳優・小林顕作による絵本の読み聞かせ公演。子どもも大人も夢中になれる時間を劇場で過ごしました。




