2020.09.20
音響さんのお仕事道具「マイク」
音響さんは音にこだわりますが、音の入り口(マイク)に最もこだわります。マイクは音の入り口であり、音声を電気信号に変える装置です。音が出る仕組みは次のとおりです。
①マイクは集音した音(空気の伝搬)を微弱な電気信号に変換し、ミキサーに送る。
②ミキサーは集めた音(電気信号)を加工・調整して、パワーアンプに送る。
③パワーアンプは微弱な電気信号を増幅させ、出力装置(スピーカなど)に送る。
④スピーカーは電気信号を空気の伝搬に変換し出力し、耳が音を感じる。
そして、集音したい音の質によって、使用するマイクを変えます。使用するのは大きく分けて2種類のマイクです。
ダイナミックマイク(写真右):音源から近いものや大きな音を集音するとき
コンデンサーマイク(写真左):音源から遠いものや繊細な音を集音するとき
ダイナミックマイクの使用例としてヴォーカルマイクがあり、近接効果(マイクに近づけると低音域が増強)による量感あふれる音が見込めます。コンデンサーマイクの使用例として寄席や高座、漫才やクラシック音楽の録音にも使われることがあります。ダイナミックマイクに比べ、高感度で広い音域と広い範囲の音や話芸や楽器の繊細なニュアンスを拾うことができます。しかし、衝撃や湿気に弱いので、取り扱いに注意が必要です。
音響さんは観客、出演者にとって最高の音になるように機器の全体構成を構築します。その入り口であるマイクは最も重要です。だから、音響さんはマイクにこだわるのです。
右)SHURE SM-58 通称:ゴッパー
左)SONY C-38 通称:サンパチ