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2020.12.20

自主事業ハイライト「劇場って楽しい!!in熊本」

同じ時間、同じ感動を、同じ空間で共有できるのが音楽や舞台鑑賞の醍醐味のひとつ。ただ、その醍醐味を理由があって一緒に味わえない方たちがいます。劇場には、社会的に弱い立場にある方たちにも鑑賞の機会を提供する社会包摂の考え方が活動の基本にあります。昨年から県劇で実施している「劇場って楽しい!!」は、知的・発達障がいがあり、劇場に行くことが困難な方たちに向けたプログラムです。今年は1018日に演劇ホールで開催しました。


(「劇場って楽しい!」のかけ声とともに、手で大きく丸をつくる。会場が一体となり、このアクションをすることで場がなごむ)

このプログラムは、国際障害者交流センタービッグ・アイ(大阪府)が企画・制作しているもので、県劇で開催するにあたり、通常とは異なる劇場の運営が求められるため、運営スタッフは研修を重ね、公演開催のために必要な対応方法を学んできました。2回目となる今回は、昨年の反省点をもとに改善点を話し合い、それを反映させた開催となりました。その改善点のひとつが、昨年の開催で「開演時間が書いてあるが、時間がわからない」という意見が多かったため、ホール入り口のわかりやすいところにアナログ時計を設置することでした。参加者からいただく声は、開催側が予測していなかったこともあり、とても参考になりました。


(大きな音が苦手な方のために準備したイヤーマフ)

新型コロナウイルスの影響で、当初9月に開催予定だった公演が延期されたにも関わらず、定員200人の募集を超える応募があり、当日は賑やかに開催されました。今回の公演は、サクソフォン四重奏のカルテット・スピリタスのコンサート。オリジナル曲からはじまり、お馴染みのクラシック、童謡メドレー、話題のアニメの主題歌など、軽快なMCとともに演奏が繰り広げられました。最後は、紙芝居をセリフなしの生演奏でシーンを表現する紙芝居オペラ「桃太郎」で締めくくり、1時間の公演は終了しました。最初は緊張感のあった会場も、途中知っている曲に「あ、赤とんぼ」との声があがるなど、それぞれの楽しみ方で鑑賞する姿が多く見られました。昨年と同様に司会進行を担当した劇団「不思議少年」の森岡光さんは、「司会者はみなさんが最初に出会う人。だから、楽しい演出が大事。元気に楽しんでもらえるように気を配りました」とコメント。これから回を重ねるごとに、主催者、アーティスト、司会者、そして参加者が一体となって、より良い公演をつくりだしていくイメージを描くことができた一日でした。


(司会やアーティストが話す言葉は、バックスクリーンに字幕表示)

 

 

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