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2023.12.20

県劇スタッフリレーコラム№19

バタフライエフェクト

1994年春、トレンディドラマ「あすなろ白書」を観てキャンパスライフに憧れた私は福岡の地に立った。
当時は第3次サーフィンブームの只中にあり、東区三苫のサーフショップ・レイディックスに通い、先輩たちからサーフィンを学んだ。早朝のサーフィン、大学の講義、スポーツジムのアルバイト、最後は親不孝通りのクラブに行くのが日課となった。1990年代前半の親不孝通りには九州最大級のディスコ・マリアクラブがあり、僅かながらバブルの余韻が残る時代であった。当時、ディスコの衰退と同時に隆盛を極めていたのがクラブである。レゲエ、ヒップホップ、R&Bなど様々なジャンルのイベントが毎夜開催され、中でも人気を博したのがダンスホールレゲエ。時折りカーラジオやビーチでレゲエが流れてくると一瞬で若返った気になる。

時間軸を現在に戻す。現在の私は、県立劇場での仕事に加え、子供が通う小学校のPTA役員、小学校創立150周年記念実行委員会委員、少年野球チームの送迎など、若い頃には想像だにしない大人になった。
とりわけ少年野球は忘れていた感情を呼び戻してくれる。純粋無垢な眼差しで白球を追う子供たちの姿を見るだけで涙腺が緩む。何かに夢中になり、気持ちを昂らせることは素晴らしい。
熊本県の芸術文化振興を担う県立劇場に課せられた役割もまた素晴らしい。少年野球に臨む子供たちと同様に、いくつになっても仕事もプライベートも夢中でありたい。

※バタフライエフェクト(バタフライ効果)とは、ほんの些細な事がさまざまな要因を引き起こした後、非常に大きな事象の引き金に繋がることがあるという考え方のこと。初期のわずかな差が将来に大きな差を生むというもので、どんなに初期の差が小さくてもさまざまな要因によって変化は進み、どのような結果や未来が訪れるかは誰にも判らないことを意味する。そこから、ほんの些細なことも、ときに歴史を動かすことがあるかも知れない、という意味につながる。カオス理論における予測困難性を表す表現の一つである。

総務グループ
中島 圭一[なかしま けいいち]

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