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2023.06.15

まなびの風景「熊本県立西高等学校太鼓部」

自分たちで考え、
行動することを重んじる
西高太鼓部の伝統

来年2024年で創立50周年を迎える熊本県立西高等学校。西高太鼓部は創部から30年以上の歴史があり、現在は1年生から3年生までの部員7名が在籍していますが、3年生の2名は6月に引退を控えています。
現在の西高太鼓部の〝伝統″といわれるものを築きあげてきたのは、外部コーチである瀬戸コーチ。小学6年生の頃から太鼓をたたき、20代からは演奏家としてソロ活動している瀬戸さんは、太鼓部の演奏を見て、「ぜひとも指導したい!」と学校に直談判に行ったといいます。それが2010年のことです。「太鼓という名前には〝尊いものを励ます″という意味があります。演奏の技術というより、楽器への向き合い方や、自分たちで考え、行動できるような自主性を重んじた指導に取り組んでいます」と瀬戸さん。西高太鼓部の伝統として、毎年、その時に在籍している生徒たちの顔ぶれを見て、オリジナルの曲をつくりあげています。今年も4月に1年生3人が入部し、現在作曲の真っ最中だといいます。

太鼓を通じて
世代を超えた
つながりの深さ

西高太鼓部の伝統のひとつとして、卒業生との繋がりの深さがあります。毎週末は太鼓部OBOGが部活動の指導。今年春には、卒業生の有志が集まり「音屋」という太鼓チームを結成。2012年にスタートした熊本城マラソンでは、コースの沿道近くにある西高太鼓部に熊本市から声がかかり、ランナーを応援する演奏を毎年行っています。コロナ禍あけで3年ぶりに開催された2023年の大会では、当時4名の部員のために、卒業生が30人ほど集まってくれ、ランナーを盛り上げる演奏を交代で約5時間繰り広げたといいます。
3年生の部長佐藤由梨さんと副部長の森永倖由さんは、2021年の県の伝統芸能代表選考会で、ふたりだけで舞台に立って演奏した経験をもっています。「その時部員がわずか2名で、太鼓部の伝統をつないでいくことがプレッシャーでしたが、自分たちの音楽で伝える、という貴重な経験だった」と森永さんは振り返ります。佐藤さんは、「これまで受け継いできた太鼓の基本、姿勢、一つひとつ大切にしてほしい」と後輩たちにエールを送ります。

佐藤さん(左)と森永さん(右)が1年生の時の選考会出場の際は、部員が2名。プレッシャーの中演じきったふたりを見て瀬戸コーチは感動したという。

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