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2021.12.20

まなびの風景「熊本県立第二高等学校箏楽部」

熊本県立第二高等学校箏楽部

13弦を爪弾き奏でる中国伝来の雅楽器
凛とした音色の美しさ

今から約1300年前、奈良時代に唐から日本に伝わったとされる弦楽器・箏(こと)13本の弦を竹製の爪で弾いて演奏し、凛とした音色が特徴です。熊本県内の高校のうち、箏を演奏する部活動は約30校あります。しかし、部員数が少ないなどの理由で実際に活動しているのは10校ほどしかありません。熊本県立第二高等学校は、2000(平成2)年に創部。現在は1年生7名と2年生2名、3年生16名の合計9名が在籍しています。 

「創部のきっかけは一人の男子生徒でした」と顧問の南尊典先生。男子生徒は中学時代の総合学習で箏を知り、個人的にレッスンを受けるほど熱中。高校では部活動をつくりたいと同級生の男子生徒を一人勧誘し、校長をはじめとする先生方を必死に説得して創部に至りました。「箏を演奏する部活動は一般的に『箏曲部』との名称が当てられます。しかし、当校では男子生徒の『箏を楽しみたい』という想いを反映させて『箏楽部』という名でスタートしました」。 

 シャープでスッキリした音がチームの持ち味
心に残る演奏をめざす

 創部当初から外部指導者として技術指導を担う沢井箏曲院教授・生田真由美先生は、「創部当時から受け継がれるシャープでスッキリした音が第二高校の特長です」といいます。県劇ほわいえの取材班が訪ねた日、部員たちは17本の弦を持つ低音用の箏・十七絃を加えた合奏曲「箏のための展」を練習中。弦を弾いたり、叩いたり、ぐっと押さえ込んだり。全身を使って踊るように演奏する姿は、雅な音色からは想像もできないほどの体力勝負です。 

副部長の西山果那さんは「演奏中は冬でも汗をかき、練習後にはお腹がすきます」と恥じらいながらにっこり。部長の水月晴賀さんは「箏は、か弱い楽器と思われがちですが、バンドのように力強い合奏もできるところが魅力」と話します。続けて「まずは人の心に残る演奏がしたい。それが全国大会への出場につながることが理想です」とも。生田先生も「聴いてくれる人の気持ちを温め、豊かな心を届けられるチームになってほしい」とうなずきました。 


(全国高校総合文化祭の常連で、ベスト8入賞を目標とする実力派の部活動)

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