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2026.03.20

【職員リレーコラム】No.29

舞台袖も緊張の連続

舞台の備品を整理していたら写真の機材が出てきました。オープンテープデッキ(以下オープン) オタリ製のMX-50という機種です。私は技術職員として入社し、最初は音響担当でした。入社した1990年頃、きっかけがある音楽の再生はオープンが主流でした。カセットはもちろん、CDプレーヤーもあったのですが、音がワンテンポ遅れてしまいバレエなどのシビアなきっかけがある場合は使えません。舞台監督の手の合図が出た瞬間に再生できるオープンが使われていた訳です。
入社後、先輩達に教わりながらテープセットのやり方、操作、編集を何回も練習した覚えがあります。磁気テープを巻いたリールをセットし、テープを引っ張り出して、ローラーやピン、ヘッド、巻き取り用のリールに掛けていきます。間違えると全く動きません。曲と曲をつなぐ編集作業も時間がかかりました。元のソースからダビングし、オープンで再生して曲頭で止める。手動でリールを回しながら、無音と曲の頭を探り、テープをカットします。ハサミでカットする人が多かったと思いますが劇場にはカットする器具がありました。曲終わりも同じようにカットし、白いリーダーテープをつなぎます。曲頭には曲名をマジックで書く。現代のように曲名表示の液晶パネルはついていません。
曲の頭出し(選曲)にもちょっとしたテクニックが必要でした。早送りや巻き戻しで曲を探すのですが、リールが高速回転になったままストップを押すとテープが伸びたり、テープのつなぎ目から切れたりするので、早送りと巻き戻しを交互に押しながらストップをかける必要がありました。
少し慣れたころ、地元のバレエ公演の音出し(たたき)を任されるようになりました。ほとんどの場合は専属の音響さんが行うのですが、全部そうではありません。初めのころは、不安や緊張でドキドキでした。劇場に任されるのは、持ち込みテープが多かったので、リハーサル前にリールやテープの曲順番をチェックしたり、リハーサル中は音楽の大きさのチェック、舞台監督の位置やきっかけのタイミングをチェック、曲間のリーダーの長さのチェックなどやることが多かった。バレエの曲や用語に関しても知識が無かったので、勘違いで間違って音を出したりして。苦い思い出です。
再生機も時代と共に進化して、MD、DJ用CD、メモリープレーヤー、PCソフトで再生するなど便利になりましたが、舞台袖の緊張感は今も変わらず同じです。

総務グループ
原口 浩[はらぐち ひろし]

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