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2026.03.20

【特集】熊本県立劇場×熊本市消防音楽隊避難訓練コンサート~参加して、見て、聴いて、「もしも」に備えよう~

Special feature
熊本県立劇場 × 熊本市消防音楽隊
避難訓練コンサート
~参加して、見て、聴いて、「もしも」に備えよう~
2026年1月31日(土)
熊本県立劇場 コンサートホール

劇場で起きうる「もしも」を体験することで
いざという時の「備え」を考える。

いつ、何時、どこで、どんな災害が起きるかわからない。「もしも」地震が起きたら、「もしも」火事に直面したら。その「もしも」は、なにげない日常のなかでも、劇場のなかで音楽を楽しむ非日常の時間でも起きうることです。今回は劇場での「もしも」に備えるために開催された「避難訓練コンサート」についてレボートします。

火災発生を想定した12年ぶりの避難訓練コンサート

公演中に発災したことを想定し、演奏者·観客と一緒に避難訓練を行う「避難訓練コンサート」を、2026年1月31日、熊本県立劇場のコンサートホールで開催しました。観客も参加して実施する避難訓練は、東日本大震災の翌年からはじまり、今回で4回目。前回開催の2014年から実に12年ぶりの開催となりました。
通常のコンサートと同じように演奏を楽しみ、災害発生を想定した避難訓練を同時に行う取り組みは全国的にも珍しく、約500人の観客が参加しました。集まった観客は、小さなお子様連れの家族が多く見られ、なかには乳幼児を抱いた参加者もいたほどで、その関心の高さがうかがえました。また、県内外の施設7館から12人の視察があり、避難訓練コンサートに観客として参加。発災時の動きや、スタッフの避難誘導手順を見学するとともに、観客と同様に避難訓練を体験しました。

ホワイエから2カ所の避難ルートをたどり玄関前のプロムナードに向かう

今回の避難訓練コンサートは火災発生を想定し、熊本市中央消防署の全面的な協力を得て、消防音楽隊の演奏を楽しむプログラムで進められました。公演前には、館内外で消防車、救急車の展示、煙体験コーナー、VR消火体験コーナー、なりきり消防士フォトスポットなどのイベントが開かれ、かなりの賑わいを見せていました。また、コンサートホールの舞台上では、熊本地震後に県立劇場が避難所や学校で行ったアートキャラバンくまもとのスライドショーを投影。ホワイエでは、2016年の熊本地震の際の活動を報告するパネル展示もあり、多くの人が足を止め、その当時のことに思いを巡らせる一幕もありました。

公演前には訓練の流れと避難方法について司会者から説明があったものの、どのタイミングで火災発生のアナウンスが入るのか事前には知らされず、消防音楽隊の演奏ははじまりました。最初の演奏曲は、映画「バックドラフト」のメドレー。演奏がはじまった途端、避難訓練とわかっていても観客は演奏に引きこまれていきます。実はその裏側では、火災報知器の警報を聞いた劇場職員たちが、火元確認、消火活動の訓練を行いました。2曲目の「365歩のマーチ」の途中で消火栓を用いた消火活動に失敗した想定で、館内にブザーと避難誘導のアナウンスが流れました。職員の誘導に従って、避難集合場所となる入口前のプロムナードまで落ち着いて移動し、避難は完了しました。

コンサート開催中、防災センターでは、危機管理者の指示で消火活動、避難誘導などの訓練を行った
劇場職員の誘導に従って、落ち着いて避難する観客の姿

避難訓練後は休憩をはさみ、再び消防音楽隊の演奏を楽しみました。演奏されたのは、アンコール曲を含めて8曲。避難訓練に参加した観客は、コンサートホールの音の響きを楽しみ、音楽の楽しさを味わう時間を共有しました。不特定多数の人が集まる施設である劇場は、消防法に基づき年2回以上の避難訓練が義務づけられています。県立劇場では、大きな災害を想定した訓練を4回、小規模でも4回、年に8回訓練を行っており、継続的に防災の取り組みを実施しています。観客も参加した避難訓練コンサートは、そうした日常的な訓練の積み重ねを実践ベースで職員が再認識するうえで重要視しているものです。避難訓練後には、熊本市中央消防署副署長、岩本和士さんから講評があり、そのなかで「実際は火と煙を目の当たりにしたら慌てるかもしれませんが、誘導に従って今日のように落ち着いて行動してほしい」とのコメントがありました。また、火災発生時の注意点や、建物の誘導灯の確認とマークの意味、階段を使った避難等の解説があり、防災について学ぶ機会にもなりました。

避難訓練後は熊本市消防音楽隊の演奏が披露された

音楽を楽しみ、防災意識を高め、そして家族で話し合うきっかけづくりにもなる今回のプログラムによって、もしもについて考えることが、家庭から、そして地域全体に広がっていくことが期待されます。

避難訓練コンサート参加者の声

『子どもと共に参加できてよかったです。防災にも、音楽にも触れられる良い機会でした』
『自宅内での震災対策だけを考えていましたが、出先や建物内での非常時にどう動くか考える良い機会になりました』
『職場や地域以外での避難訓練に初めて参加しました。慣れない場所で関係者やスタッフの落ち着いた誘導があると安心できることを感じました』
『消防士の方々の活動の様子を知ることができました。演奏も素晴らしかったです』
『避難訓練時に劇場の方の「気分の悪い方はいませんか?」の声かけにほっと安心しました。本当の災害時ならパニックになったり、具合が悪くなる人も多くなると思いました』

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