2024.12.20
【県立劇場ギャラリー】チェロ弾き
チェロ弾き
オシップ・ザツキン作
熊本県立劇場の館内に多数展示されているアート作品。今回は「チェロ弾き」をご紹介いたします。
ロシアに生まれフランスで活躍した近代彫刻の巨匠オシップ・ザツキンの2点の作品がエントランスホールに並んでいますが、そのうちの一つが「チェロ弾き」です。ロシア生まれのザツキンは15歳で渡英。19歳でパリに出て、ロダン風の具象彫刻から出発しましたが、パブロ・ピカソや藤田嗣治らとの交流もありキュビスト(立体派)に傾倒。「ポスト・キュビズム」と自ら名づけた簡潔な作風は、具象から抽象への架け橋として、モダンアートの歴史に大きな足跡を残しています。
「チェロ弾き」はインスピレーションを得ようと物思いにふけるチェロ奏者、あるいは音楽家・作曲家の姿を彫刻にしたもの。きっと同じように楽器を抱えて構想を練った音楽家が舞台に立つ姿を、コンサートホールの入り口で「チェロ弾き」は長年見守ってくれています。