2022.09.15
本の中にある劇場「全国85劇場 ミニシアターのある街へ。」
熊本県立図書館と県立劇場のタイアップ企画として、2007年度から県立劇場の文化事業に関連する図書を「〇〇を楽しむブックリスト」としてご紹介しています。作曲家や演奏家のこと、楽器にまつわる話や演劇の原作本。さらにはスポーツ、科学に関する本も!そして、このコーナーでは、県立図書館職員おススメの一冊をご紹介します。ここでご紹介したおススメ本もブックリストの本も熊本県立図書館で読むことができますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
全国85劇場
ミニシアターのある街へ。
子どもの頃、映画は一大イベントでした。シネコンはまだ身近でなく、公民館での出張上映も稀だった田舎の小学生にとって、車で1時間かかる都会は別世界でしたし、新聞で上映時間を調べるのはワクワクするものでした。一定数の大人にとって、映画館は〝エモい〟思い出を呼び起こすキープレイスではないでしょうか。
この本によると、席数200以下の映画館をミニシアターと呼ぶそうです。90年代にブームとなったそうですが、紹介されているシアターはどれもレトロで個性的!アートシアターと呼ばれるのも納得のこだわりを感じます。副題に「映画の余韻を楽しむお散歩ガイド」とあるように、映画の前後に訪れたい場所が案内されているので、実際に1日を過ごした気分になれるのもまた一興。巻末に、熊本市のDenkikanと天草市の本渡第一映劇も紹介されています。偶然どちらも訪問済みの私は、ツウになった気分で読了いたしました。シアターと喫茶店で過ごす優雅な時間をぜひ皆さまも。
松永 有莉[まつなが ゆり]
熊本県立図書館 情報支援課 主任主事