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2022.06.15

県劇スタッフリレーコラム№13

「成長の喜び」

令和2年の4月1日から入職した私の所属は事業グループ。これまで芸術に縁もゆかりもなかったため、何もわからない状態でデスクにつき仕事を始めた。
大学卒業後高校国語の講師として勤務していたが、紆余曲折あり熊本県立劇場で働くことになった。事業グループの主な仕事は自主事業の企画・運営。今は人材養成事業に携わることが多い。県劇では将来芸術に携わる人材が増えるような様々な事業を展開している。青少年を対象として実演家やいわゆる裏方の仕事をする舞台スタッフの養成を目標としている。チラスの作成から広報、アーティストとの連絡調整、当日の運営やタイムスケジュール管理と業務は多岐にわたり大変ではあるが、実りも多い。参加者が目を輝かせながら、学び成長していく様子を見ることができたとき、これまでの仕事が報われたように感じ、何事にも代えがたい達成感を味わえる。
勤務を始めて3年目の今年、将来の舞台技術者を養成する「舞台技術の基礎講座」では受講生に8の字巻きを教えることができた。これはケーブルの巻き方で、同じ方向にケーブルを巻いてしまうと、捻じれて、伸ばした時に絡まってしまい、断線する可能性が高くなってしまう。この8の字巻きは舞台スタッフとして必要なスキルとのこと。慣れてしまえばなんてことはないが、少しコツがいるこの巻き方を、まさか自分が教える立場になれるとは思ってもいなかった。自分の成長も感じることができ、喜びはひとしおである。
転職という大きな人生の転機を迎え、何もわからない状態から少しずつ成長することができている。一生涯学び続け、これからの自分自身も成長を続けていきたい。身長も170センチと公言しているが実際は、あくまで現時点では169.8センチ。いくつになっても人は成長できるため、きっともう少しすれば堂々と170センチと伝えられる日が来ると信じている。成長の喜びを感じたい。

事業グループ
宮本 帆士魁[みやもと ほしと]

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