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2022.04.15

特集「40周年の県立劇場へのメッセージ:小曽根真」

県立劇場40年の歴史の中で、コンサートホール、演劇ホール、それぞれのホールの舞台上には数えきれない感動の場面が生まれました。その場面をつくりだしてきたアーティストの方々から40周年を迎えた県劇へ、あたたかいメッセージをいただきましたのでご紹介します。

熊本県立劇場さま、そして大切な熊本の皆さまへ

コロナ禍は勿論のこと、この数年は大きな災害に見舞われた熊本県。激変してしまった日常生活が多くの皆さまにとってどれだけストレスになっているのだろうかと考えると本当に心が痛みます。音楽家は「音楽」という「言葉」を通して皆さんの心に元気をお届けする事しかできませんが、震災直後に熊本県立劇場で演奏させて頂いた時、逆に客席の皆さんからステージ上の僕らの所に届いたエネルギーに感動したことを今でもはっきりと覚えています。

肉体が生きるために食べ物が必要なのと同様に、心が生き続けるために芸術があります。音楽は傷ついた心を癒してくれるだけでなく、自分で気がつかないところにある心の傷を見つけ、直してくれます。音楽が繋げてくれる心と心。そしてそんなミラクルを起こしてくれる場所が劇場です。会場に入るまでは会ったこともない人と隣り合わせで座り、たった2時間強、音楽を聞いて泣いたり笑ったり、体が揺れたり。

そんな奇跡の起こるこの熊本県立劇場も今年で40周年を迎えられると伺いました。この40年の間にここで泣いたり笑ったりされて大切な方々の魂の響とそのエネルギーがこのホールには宿っています。そして時が過ぎると共に、新しいミュージシャン達がこのステージに立ち、客席にいらっしゃる皆さんと再び幸せに満ちたミラクルな物語を創って行くのです。これからもこの素敵な空間を皆さんのために守り続けてくださいね。

I am so looking forward to coming back!!


ⒸKazuyoshi Shimomura

小曽根 真[おぞね まこと]
ジャズピアニスト

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